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「思春期と腹部症状」

思春期には下腹部痛をはじめとした症状が起こります。それも思春期の時期によって違いがあります。


腹部症状とは
お腹に関係する症状ですが、婦人科では
  下腹部の痛み
  膨満(お腹がふくれる)
  月経痛
  のどれかでしょう


どれくらい多い
思春期の女性がどんな症状で受診されるかは、病院によって違いがあります
「腹部症状」で受診される方は、受診される思春期全体の20〜40%でしょう
その率も思春期の年齢・世代によって違います
「腹部症状」で受診される率が高いのは、中学生とされています

どんな症状が多い
「腹部症状」の中では、思春期全体として
  (1) 下腹部痛が、約60%と一番多いです
  (2) 月経痛が、30〜40%
  (3) 腹部膨満感が、数%です
初潮(初経)があり月経周期が安定し始める中学生では、月経痛が増加します
 
原因は
図のように思春期の女性では月経に関係する疾患が原因として最も多いです
注目すべきは20%にも上る「異常なし」ですが、これは婦人科的に異常がないということであって他の内科的病気などがあるということに注意する必要があります
 
年齢別では
婦人科に関係する腹部の症状の中でも年齢によって現れる症状が違います
(1) 小学生
  腹部の症状で受診する小学生では、異常ないか月経痛が多いです
(2) 中学生
  月経痛で受診する中学生が約半数です
(3) 高校生
  腹部の症状で婦人科を受診する高校生の原因・診断は、月経痛、卵巣腫瘍、骨盤内炎症性疾患など様々です
 
主な病気について
(1) 月経困難症
  ほとんど(95%前後)は初潮(初経)以後に成熟し、排卵することに伴う痛みですので、中学生に多くみられるようになります。痛み止めやピルで対応できますが、薬で効果がなければ、卵巣の異常もありえるので受診して検査を受けましょう
(2) 卵巣腫瘍
  腹部症状の約20%の原因である卵巣腫瘍のうちの約40%が、手術されています。思春期の卵巣腫瘍は、症状が無いこともあるので腹部症状があれば、なおさら腹部エコーやMRI検査を積極的に受けることが必要です
(3) 骨盤内炎症性疾患
  性交年齢が若年化することで、思春期の若い世代にも性感染症が増加してきています。なかでもクラミジア感染症は、すべての性感染症のなかで最も多いです。とくに性行動が活発化する高校生期から多く感染し、64%がクラミジア感染に原因があるともいわれています。必ずクラミジアの検査・治療は必須ということになります
(4) その他の婦人科の病気
  排卵期痛や子宮外妊娠など月経や妊娠に関連するものもあるのです
(5) 婦人科に異常がないとき
  お腹の症状があるのに婦人科では異常が無いときは、虫垂炎、急性胃腸炎、便秘、過敏性腸症候群、大腸憩室炎などの腸の病気と膀胱炎が考えられます
 
まとめ
思春期の腹部の症状の原因としては、思春期に卵巣の働きの成熟過程に起こる症状、性行動に関係する病気、腫瘍、妊娠、腸や膀胱に関係するものなど範囲が広いので、受診する科も含めて慎重に考える必要があります
 
(笠井真理らの「思春期女性の腹部症状」、産婦人科治療12月号を参考にしました)
 
 
【2010年03月更新】

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