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「中高年の肥満」
中高年の肥満は見かけが悪いだけではなく、さまざまな病気を引き起こしやすいことが問題です。中高年では体重のコントロールがより大事になってきます。
中高年の肥満の現状
国民健康栄養調査によりますと、
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女性では男性に比べてやせている傾向にあります
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とくに女性の40歳未満での肥満の比率は低いです
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40歳代、50歳代では肥満の比率は高くなりますが、16〜26%で、この20年間では減少傾向にあります(男性では20年で増加し続けています)
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60歳以上では肥満の率は30%弱で一定です
これらのことから中高年の肥満は年齢的な問題ともいえます。
肥満者の食事量
肥満になる人は、食事の量と質が問題とよく言われます。
肥満の方の食事の質のことは別にしても食事量については、
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平均以上に食べ過ぎている方は、全体の30%程度です
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残りの70%の内の半分の35%の肥満者は平均以下の食事量ですし、残り35%は平均の食事量と同じ程度の量なのです
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したがって多くの方は「あまり食べないのに太っている」と感じておられるようです
これらのことから、そんなに食べていないのに太っているのは、多くは運動不足なのです。
中高年の肥満症の特徴
(1)よく言われるように、肥満には
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内臓脂肪蓄積型
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皮下脂肪蓄積型
の二つのタイプがあります。かつては
内臓脂肪蓄積型=上半身型=男性型=リンゴ型
皮下脂肪蓄積型=下半身型=女性型=洋ナシ型
と呼ばれ、女性では皮下脂肪蓄積型が優位でした。ところが中高年女性の肥満では、これら内臓脂肪蓄積型と皮下脂肪蓄積型の両方が増加・混在していると考えられます。
(2)骨や関節に障害があることが多く、運動療法が行えない場合が往々にしてあります。
(3)
皮下脂肪蓄積が体重の多くを占めているために、食事療法を行っても体重の減少が男性ほど著明ではなく、効果がないと感じ、過食に戻りやすくリバウンドしやすいのです。
さらに女性の場合は男性に比べて食に対して執着することが多く、食事療法の効果が中高年の女性では悪いのです。
中高年女性の肥満による影響
肥満が原因と思われる健康障害は以下の10種あげられています。
(1)糖尿病、(2)高血圧、(3)高脂血症、(4)脂肪肝、(5)痛風、 (6)狭心症・心筋梗塞、
(7)脳梗塞、(8)骨・関節の病気、(9)ガン、(10)睡眠時無呼吸症候群
とくに(1)糖尿病、(2)高血圧、(3)高脂血症があればメタボリックシンドロームとなります。
肥満に関連する健康障害
上の10種類の健康障害のそれぞれについては各部門に譲りますが、その代表的なものを概説します。
(1)メタボリックシンドローム
わが国のメタボリックシンドロームの診断基準で判定した場合、
40歳未満の女性 ------ ほとんど0%
50歳代 ------------- 16.3%
60歳代 ------------- 21.3%
と閉経で急増します。メタボリックシンドロームは、動脈硬化、心臓血管系疾患、脳血管疾患を起こしやすいのですから、閉経後の肥満は要注意ということになります。
(2)変形性関節症
肥満の中高年の女性には、骨・関節の病気の中でも多いのが変形性関節症です。
女性の変形性関節症は、
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男性より多いです
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その理由は、骨量が少なく、関節を支える筋肉も少ないからです
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40歳以上になると増加します
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体重が増加すると増えます
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標準体重だと18%が、体重が30%増えると55%に増えます
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BMI
が1増えると15%増えます
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体重が5Kg増えると35%増えます
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体重を減らすと減り、関節の痛みも軽減します
ガン
肥満とガンとには関連があることが数多く報告されています。肥満女性では、子宮体ガンと乳ガンが多くなるのです。
(1)子宮体ガン
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子宮体ガンは近年増加傾向にあります
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子宮体ガンの80%は50歳以上の方です
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子宮体ガンの発症にはエストロゲンが多く分泌することが関係しています
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エストロゲンは子宮内膜を増殖させ、プロゲステロンはこの作用に対抗します
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子宮内膜が増殖し続けると、異型内膜増殖症、さらに子宮体ガンに進展します
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閉経後はエストロゲンもプロゲステロンも卵巣からは出ませんが、脂肪組織ではエストロゲンだけが作られます。
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したがって閉経後女性で肥満になるほどエストロゲンによる子宮内膜増殖・子宮体ガンの発症リスクが高まります
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子宮体ガンは、未婚、不妊、妊娠・出産回数が少ない女性に多いとされていますので、これらのリスクのある女性が肥満になればリスクがさらに高くなるのです
(2)乳ガン
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乳ガンは肥満との関連が深いことが分かっています
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とくに閉経後では肥満の女性ほどリスクが有意に高まります
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乳ガンの発症には子宮体ガンと同様エストロゲンのみの過剰が関係しています
目標とする体重
急激な体重の減少をするのではなく、
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5〜10%を3〜6ヵ月で減少させる
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BMIが21や標準体重にまで減らす必要はないのです
減量
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運動でエネルギーを消費して体重を減らすのは容易ではありません
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運動というより活動性を高めるくらいに考えて行うべきでしょう
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具体的には歩行で、1日あたりの歩行を徐々に増やすことから始めましょう
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食事による減量が最も有効ではあるのですが、質的・量的の両面から行いましょう
(宮崎滋、産婦人科の治療 97巻、2008年を参考にしました)
【2009年6月更新】
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