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女性のうつ病は、男性の2倍と多く、月経前期、分娩後、更年期とホルモンの変動の大きい時期に発症します。とくに更年期には多いのです。
 

女性に多い
うつ病(うつ状態)の発症する頻度は、女性で10〜24%とされています(男性5〜12%、世界保健機構、WHO)。
しかも発症は、女性ホルモンの変動の大きい月経の前(黄体期)、分娩後、更年期の3つの時期に多いのです。

 
更年期では
今までの研究調査から推定しますと、更年期の全ての女性のうち
何らかの「更年期症状」を経験する率 ----- 約70%
更年期症状が強く日常生活に支障をきたす「更年期障害」 ----- 約30%
更年期障害のうち約20%はうつ病(うつ傾向) ----- 約 6%
と考えられています。
 
月経が不順になる時期に
更年期といっても月経が不順になり始めて閉経後までと幅が広いですが、うつ病(うつ状態)やうつ傾向(抑うつ感)は月経周期が不規則になり始めた頃に一番多く発生するのです。
 
症状は
うつ病(うつ状態)やうつ傾向(抑うつ感)のときの症状は、必ずしも気分だけの変化ではないのです。精神・気分の症状に加えて身体症状も現れるのです。逆に身体症状だけが現れるときも少なくありません。それぞれの主な症状は次のとおりです。
精神症状
身体症状
抑うつ気分
興味の減少
気力低下
不安・焦燥
罪悪感
集中力低下
自殺念慮
睡眠障害
疲労・倦怠感
食欲不振
便秘
体重減少
性欲減退
頭痛

なかでも更年期にみられるうつ病(うつ状態)やうつ傾向(抑うつ感)の特徴は、
(1) 不安(感)が強い
(2) 抑うつ気分があるのに行動が抑制されることが比較的軽いので、むしろ動きや口数は多い
(3) 身体症状が目立つ
です。したがって更年期ではうつ病(うつ状態)やうつ傾向(抑うつ感)であること気づかれずに過ぎることもあるのです。また軽いうつ病(うつ状態)やうつ傾向(抑うつ感)を更年期障害と診断されたり、反対に更年期障害をうつ病(うつ状態)やうつ傾向(抑うつ感)と診断されたりすることもあるのです。
 
初めて受診する科は
うつ病(うつ傾向)の時には、どの科に初めて受診するでしょうか。
内科 ------ 65%と圧倒的に多いのです
産婦人科 ------ 10%と2番目に多いのです
脳外科 ------ 8%
精神科・心療内科 ------ 9%と以外に低いのです
このようにうつ病(うつ傾向)ではさまざまな身体症状が現れて、その症状に応じて受診する科を選んでいるように思えます。
 
自分で診断できる
更年期には、うつ病(うつ状態)も起こりえますが、多くは軽いうつ傾向(抑うつ感)です。
(1) 最近眠れない、疲れやすい、食欲がないなどの症状がある
(2) ともかく体調がすぐれないと感じる
(3) 自分で落ち込んでいると思う、やる気がでない、以前できていた家事・整理ができない、など
のどれかがあれば軽いうつ傾向(抑うつ感)である可能性もなくはありません。病院に行かずとも軽いうつ傾向(抑うつ感)があるかを知る手がかりに自分でできる簡単なテストがあります。
この検査で診断が決定されるわけではありませんので、参考程度にしましょう。最終的には受診して診断を受けましょう。
 
治療
うつ病(うつ状態)やうつ傾向(抑うつ感)に対する治療は、当然病気の程度によります。
(1) うつ病(うつ状態)は専門医による抗うつ剤治療が主でしょう
(2) 婦人科での治療は軽いうつ病(うつ状態)やうつ傾向(抑うつ感)に限られます
(3) 薬による治療は
   *従来の抗うつ剤
   *新しい抗うつ剤(SSRI)
   *胃腸薬のスルピリド(ドグマチール)
   *ホルモン補充療法(HRT)
の組み合わせによって行われます
(4) うつ傾向やうつ状態に対するホルモン補充療法(HRT)は
   *エストロゲン(卵胞ホルモン)では効果がある
   *黄体ホルモンを併用すると効果は弱くなる
   *アンドロゲン(男性ホルモン)療法はホルモン治療の中で一番効果がある
   *HRTによる抑うつ感への効果は、自律神経失調症状のほてり、汗などを
    改善するためと考えられていたこともあったが、ほてりなどのない女性に
    対しても効果があるようである
(5) うつ傾向は単に女性ホルモンの減少によって起こるのではなく女性を取り巻く環境(親・夫・子どもを含めた家庭・職場など)にも影響されますので、環境の整備・改善も必要でしょう
 
どうしましょう
年齢的に42歳以降の更年期に入り、月経不順があればなおさらのこと、どんな症状があるかは別にして「なんとなく体調がすぐれない」と感じたら、一度は自分できる簡単なテストをしてみましょう。
 
【2007年10月更新】
 


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