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「HRTでの乳ガンリスクを減らす工夫」


HRT(ホルモン補充療法)の副作用・リスクのなかで一番気になるのは乳ガンでしょう。HRTを受けながら乳ガンのリスクを減らすことはできるのでしょうか
 

乳ガンの発生率
日本人女性では、生涯で乳ガンに罹る率は25〜30人 に1人とされています
生活習慣で乳ガンリスクを増加させるのは、飲酒、喫煙、高脂肪の食事、HRTなどとされています
HRTを5年以上続けると乳ガンリスクは有意に高くなるとされています

HRTの貼付剤の有用性

イタリアの研究報告(Corraoら、Ann. Oncol 19:150,2008)では、貼付剤による乳ガンの発生リスクは、経口剤の治療に比べて有意に低かったのです。とくに1年以上期間が延びるにつれてリスクが拡大するようです
イギリスの50万人余の観察(Opatrnyら、BJOG.115:169.2008)から、経口剤では乳ガンのリスクが上がるが、貼付剤ではその傾向は明らかではありませんでした

黄体ホルモン剤
WHI報告(JAMA,291:1701.2004)では 乳ガンのリスクは
  (1) CEE(プレマリン、エストロゲン剤)とMPA(プロべラ、黄体ホルモン剤)の5年以上の併用治療では増加する
  (2) CEE(プレマリン、エストロゲン剤)単独治療では増加しないことから、黄体ホルモン剤が乳ガン発症リスクを増加させる可能性があります
イギリスの108万人が登録された研究(MWS,Lancet 362:1328,2003)では、黄体ホルモン剤の種類、投与方法(周期的か連続)に関係なく乳ガン発症リスクが増えます
ただしフランスの研究(Foirnierら、Breast Cancer Res Treat 107:103.2008)では、ほとんどの黄体ホルモン剤の併用では乳ガン発症リスクが増えるが、ただ一つの黄体ホルモン剤(デュファストン、ジドロゲステロン剤)では増加しないと報告されています

試験的には
黄体ホルモン剤の投与方法を試験的に工夫されています
たとえば
    @ 黄体ホルモン剤の投与を、3ヵ月に1回にする、
    A 黄体ホルモンを含んだ子宮内装置器具を子宮内に入れる
  などです
ただしこれらの方法は、残念ながらデータが少なく現時点では一般的に使用できる方法として確立していません

実際には
HRTを行う際の乳ガンのリスクを少しでも減らすためには、
  (1) HRTとしては、貼付剤を選ぶ
  (2) 内服薬であれば、エストロゲン剤と併用する黄体ホルモン剤としてジドロゲステロン剤(商品名デュファストン)を服用する
  (3) 生活習慣として、飲酒、喫煙、高脂肪の食事などを控えるなどでしょう

【2012年1月更新】


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