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「男性への薬剤と胎児」

妊娠する場合には、女性(妻)の飲み薬などは神経質になりますが、男性(夫)の薬はどうなるのでしょうか。知っておく方がいいでしょう。
 
精子のでき方
精子になるまでの形成期間は、およそ74日とされています。また射精の直前にすでに精子となって蓄えられています。
 
精子への影響
したがって男性に投与された薬剤が精子に影響するとすれば、受精前3ヵ月以内ですが、射精の1〜2日前に男性が服用した薬剤は影響されないとされています。
 
薬剤は精子に影響するか
精液には、20%ぐらいは形態的な奇形のある精子が含まれているのが正常といわれています。受精は何億とある精子のうちの1個が選ばれるのですから、ある薬で奇形精子が仮に30%になったところであまり影響しないと考えていいでしょう。
もし男性が受けた薬剤が精子に影響するとすれば、理論的には
1. 薬剤の影響を受けた精子は受精応力を失う
2. 受精しても着床しない
3. 妊娠早期に流産する
と考えられます。もし受精し着床して出生に至る可能性があったとしても、染色体異常か遺伝子レベルでの異常で、いわゆる外表奇形などは発生しないはずです。
 
実際の薬剤は
男性(夫)に投与された薬剤の影響についての詳しいデータはありませんが、男性への抗ガン剤でも胎児にはほとんど影響しないと考えられています。ただし以下の薬剤は動物実験などで催奇性が指摘されていますので注意が必要です。
1 チガソン(エトレチナート、角化症治療剤)
動物で、精子形成能に異常を起こすことが報告されていますので、男性の場合は、投与中および投与中止後少なくとも6カ月間は避妊する。
2 コルヒチン錠(通風・高尿酸血症治療剤)
  添付文書に、「男性が服用した場合は、ダウン症候群およびその他の先天異常児が出生する可能性があるとの報告がある」との記載があります。
3 グリセオフルビン(ポンシルFP、皮膚糸状菌による白癬などの治療剤)
  添付文書に「高用量での動物実験で、初代精母細胞において染色体の異常分離を誘発したとの報告あるので、投与中の男性の関係する妊娠は避け、少なくとも投与中止後、男性では6カ月間は避妊をさせる」と記載されています。
4 イムラン(免疫抑制剤)
  投与中の患者において、リンパ球に染色体異常を持つ児が出生したとの症例報告があり、動物実験(ウサギ、ラット、マウス)で催奇形性作用が報告されているので、投与中の男女共に避妊をする。
5 デノシン(抗ウイルス剤)
  動物実験で催奇形があることが報告されているので、男性は投与期間中および投与後90日間は有効な避妊を行なう。
6 ポトックス注(眼瞼痙攣治療剤)
  ラットでの動物実験で最高用量24単位/kgで精巣変性が観察されたので、男性は,投与中および最終投与後少なくとも90日間は避妊する。
7 レベトール(抗ウイルス剤)
  動物実験で精巣・精子の形態変化等が報告されているので、パートナーが妊娠する可能性のある男性が服用する場合には避妊しておく方がいいでしょう。
 
実際には
上記のように動物実験で疑われる薬剤であっても、大量使用されて実験が行われていることがほとんどです。男性が服用する量は極めて少なく、受精は何億とある精子のうちの1個が選ばれるのですから、実際には影響しないと考えていいでしょう。でも疑わしきは避ける方がいいに決まっています。
 
 
 
 
【2006年8月更新】
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