「性交痛」
性交をすると快感を感じるのが普通ですが、時として痛みを感じることがあります。原因などさまざまです。
性交痛はいつ?
性交痛は、性交前、性交中、性交後のいずれの時期かに生じる局所の痛みをいいます。
性交痛の程度
性交痛といってもその程度には差があります。
たとえば、
1、
性交しようとしても痛みで初めから性交ができないもの
2、
性交時に軽度の痛みがあり性交後に痛みが残らないもの
3、
性交時に痛みがあり、性交を途中で中止しなければならなくなり、多くは性交後に痛みが残るもので、性生活に影響します
これらの程度により今後の対応が異なります。
性交痛の原因は?
性的興奮や性的欲望は年齢にかかわらず存在するので、性交痛の原因となる疾患は幅広いのです。性交痛の原因は、大きく分けて
(1)器質的なもの、つまり腫瘍や炎症などがある場合で、これはさらに
1、外陰部・膣に原因がある「入口部性交痛」
2、骨盤内に原因がある「深部性交痛」
(2)心理的なもの
に分けられます。詳しくは表を参照下さい。
(1)器質的原因
1、入口部性交痛
・外陰部
炎症・潰瘍・腫瘍・外傷・瘢痕(分娩時)
・肛門
痔核
・膣
炎症、奇形、形の異常、老人性変化(ホルモン不足による 萎縮性膣炎 )
2、深部性交痛
・子宮
子宮筋腫
、婦人科手術後
・骨盤内
子宮内膜症
、
骨盤腹膜炎
、癒着
(2)心理的原因
・ 性交に対する不安、恐怖、嫌悪などがあると腟潤滑液の分泌が少なくなる
・ワギニスムス:腟の筋肉が無意識に強く収縮するためにおこります
・性的不一致
これらの中で代表的なものを説明いたしましょう。
(1)
入口部性交痛の代表、外陰部・膣の炎症
若い人ではカビなどの感染や性感染症が原因であることが多いのです
閉経後ではホルモン不足のため性器が萎縮しておこることが多いのです
(2)
深部性交痛の代表、子宮内膜症と骨盤内感染症
子宮内膜症では、性交痛以外に月経痛や排便痛などがあります
骨盤内感染症では、発熱や性交するまでもなく痛いことが多いのです
(3)
心理的原因の代表、ワギニスムス
腟入り口部の痛みは、腟の筋肉が無意識に強く収縮するためにもおこりワギニスムスといいますが、強い場合には男性器の挿入ができなくなるものです。これは性交痛への過度の恐怖や強い緊張でおこります。性交できるが痛みをともなう場合は、軽いワギニスムスと考えていいと思います。
はっきりした傷や炎症がないのにおこる性交痛は、濡れないことと腟の強い収縮との両方がおこっていることが多いでしょう。
性交痛がひどくなると?
性交痛があれば、性的興奮が起こりにくくなり、また膣潤滑液が出にくくなるので、さらに痛みが強くなるという悪循環におちいります。これによりさらに性欲が低下することになります。そればかりか性交痛が引き金になって、性交不能や性感異常(不感症など)になることもあるのです。
治療は?
性交痛に限らず他の病気でも原因により治療法が異なるのは当然のことですから、原因が何であるかを見極めることが治療の第一歩です。なかでも性交痛の原因は多岐にわたりますので、まず診察を受けて、器質的疾患がないかどうかを診断することが最重要です。次に対策としては、まず痛みを我慢しないことです。パートナーに状況をよく説明し、協力してもらう必要があります。挿入すると痛むのですから、挿入はゆっくり、ていねいに行います。またはじめのうちは膣潤滑液の補充にゼリーを使い、痛くない体験をくり返せば性的反応も再びおこり、制限も少なくなっていくでしょう。
【2005年6月更新】
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