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「黄体機能不全」

排卵はしても妊娠しにくいホルモン状態が起こりえます。月経が順調にあるだけでは判断しにくいのです。もう一度はじめからホルモン状態をチェックしましょう
 
正常月経周期では
通常の月経周期では、月経が始まって次の月経までの間にさまざまな変化が起こっています。おおよそ次の通りです。
1 月経が始まれば卵巣では卵胞(卵が入っている袋)が発育していきます
2 卵胞からホルモン(卵胞ホルモン:エストラジオール)が産生・分泌され、子宮内膜が厚くなり、子宮頚管からの粘液も増加します
3 このホルモンの影響で脳から、排卵させるホルモン(黄体化ホルモン:LH )が急激に出ます
4 この LH の働きで卵胞から卵が出ます(排卵)
5 卵巣から黄体ホルモン(プロゲステロン)が出て受精した卵が子宮内膜に着床しやすくします
6 受精・着床が起こらなければ妊娠せず、子宮内膜がはがれて月経となります
 
黄体機能とは?
この月経周期の変化の中で、「卵巣から黄体ホルモン(プロゲステロン)が出て着床しやすくする働き」を黄体機能と呼んでいます。
 
黄体機能不全とは?
排卵はあるのですが、排卵後、卵巣の黄体からの黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が低下した状態をいいます。最終的には受精卵の着床にそなえた子宮内膜の十分な準備ができない状態をいうのです。
 
黄体機能不全になれば?
妊娠しにくくなったり、妊娠しても早期の流産を起こす原因となります。
 
診断は?
いくつかの方法がありますが、代表的で実際的な方法は以下の 2 方法です。
(1) 血液中の黄体ホルモン値を高温相5−7日目に測定し、10 ng/ml  以下の場合
(2) 基礎体温を測り、以下のいずれか
(@)高温相が 10 日以内
(A)高温相と低温相の差が0.3度以内
(B)高温相が不安定な場合
 
原因は?
卵胞発育の障害がもともとの原因であるとされています。これにより排卵後の黄体化が正常に起こらず、黄体ホルモンの分泌不全を引き起こしていると考えられています。
 
治療は?
治療は主に以下の二つの順序で行われますが、あくまで妊娠を希望している場合に限られます。妊娠を希望していない場合は、そのまま経過をみてよいのです。
(1)黄体ホルモン分泌不全の治療
排卵後の高温相の2日目から h CG5000単位の注射を2日おきに 3 回(高温相の7日目までに注射を終了する)注射する。
(2)卵胞成熟を良くする治療
排卵誘発剤を用いて卵胞の発育を正常化させることにより、結果的に黄体の機能を改善させるのです。具体的には次の順序で行います。
(@)クロミフェン(クロミッド)療法
脳の中枢に作用する内服薬で、月経の開始 5 日目から 5 日間服用する。ただしこの治療では卵は成熟し排卵するものの子宮内膜の増殖が不十分なことが起こりえるので、子宮内膜の厚さをチェックしながら長期の服用は避けるべきである
(A)ゴナドトロピン( h MG -h CG)療法
クロミフェン療法が無効のときに行われる。つまりクロミフェン療法では排卵するが、子宮内膜の十分な肥厚が起こらない場合に選択される。具体的には月経開始 5 日目ころからhMG製剤75〜150単位を連日あるいは隔日に注射して、卵胞が18〜20ミリに達すればhCG5000単位を注射して排卵させる。
 
 
【2005年3月更新】
 
 
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