子宮膣部びらん
婦人科で診察を受けると、「びらんがあります」といわれたことがある女性が多いと思います。さてよく聞く「びらん」って何でしょう。病気なのでしょうか。
「びらん」はどこにできるの?
膣の上に、あるいは奥に、あるいはつき当たりに子宮があります。また子宮の下の方を頚部、上の方を体部といい、子宮の頚部の一番膣に近い部分を子宮膣部といいます。この子宮膣部に「びらん」ができるのです。
「びらん」とは?
子宮膣部は、皮膚、外陰部、膣などと同じ扁平上皮でおおわれています。この扁平上皮が欠損して下の血管が透けて見え、唇の裏側と同じようなピンク色をしています。
どうしてできるの?
月経があると女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)が大量に分泌され、子宮膣部がふくらんで内側の円柱上皮の部分が外側にめくれてくるのです。この部分では、毛細血管がきわだって赤くただれているように見えるのです。びらんのほとんどこのようにしてできるのですから、びらんは病的というより生理的といえます。したがって更年期以降にホルモンが減少すると、この赤く見えるところは次第に頚管内に退縮していき、閉経後女性にはあまり見られません。
どれくらい多いの?
月経がある女性では、びらん面の広さの程度が違っても、70−90%にみられます。
症状は?
びらんを持っていてもほとんどの女性が無症状で過ごします。しかしびらんの部分は細菌や外部からの刺激に対して抵抗力が弱く、炎症のためにおりものが増えたり、性交時に出血することがあります。
治療は必要なの
びらんがあっても、ほとんどの場合は症状がないので、治療は必要ありません。ただびらんのために、おりものが多い場合や不正性器出血を何回も繰り返す場合は治療をする方がいいことなります。治療する場合には二段階で考えましょう。まずびらんがあると炎症が強くなり、おりものが多くなったりしますので、びらんそのものの治療は別としても、膣の洗浄や、抗生物質の膣錠を使うことによって、炎症をとると、症状は軽くなります。この治療によっても症状がなくならない、軽くならない場合は電気メス、レーザー、手術などによりびらんを取りさり、そのあとに健康な上皮が形成されるのを待つ方法もあります。
どんな事に気をつければいいの?
びらんのある子宮膣部は子宮頚ガンのよくできる場所なのです。初期の子宮頸ガンにも、びらんと同じような変化がみられるので、細胞診でガンでないことを確かめることが重要です。びらんでの炎症もガンもはじめは同じような症状なので、30歳を過ぎたら、年に一回は子宮頚ガンの検診を受けましょう。
【2003年8月更新】
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