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卵巣ガン

卵巣ガンは、婦人科のガンでは一番死亡率の高いガンです。これは早期発見がしづらいということが大きな理由です。初期にはこれといった症状もなく、検査でも発見しにくいからです。卵巣ガンのことを知り、検診を受けましょう。
 
卵巣ガンとは?
卵巣は子宮の両側にあり親指大の楕円形をしています。月経がある年齢では卵子が成熟し、排卵されます。それとともに周期的に女性ホルモンを分泌しています。卵巣にできる腫瘍の85%は良性です。残り15%が悪性で卵巣ガンです。卵巣ガンの90%は、卵巣の表層をおおう細胞から発生する「上皮性腫瘍」です。次に多いの、卵子のもとになる胚細胞から発生するガンで「卵巣胚細胞腫瘍」です。

 
どれほど多いのですか?
2000年の厚生労働省の人口動態統計によると、卵巣ガンでの死亡率は10万人あたり6人あまりで、女性のガンによる死亡では、第一位の胃ガン、第二位の肺ガンなどの順の第十位なのです。新たに卵巣ガンになる人は、1年間に6,500人ぐらいいるのではないかと推定されています。
 
特徴は?
婦人科検診が普及するにつれ子宮ガンは早期に発見されるようになりましたが、卵巣ガンはお腹の中にあるために早期診断が難しいのが特徴で、子宮ガンと大きく違う点です。診断がついた時点で、70%がすでに進行ガンなのです。
 
どういう人が危険ですか?
ガンにかかりやすい人を「リスクの高い人」といいます。卵巣ガンの、10%は遺伝性といわれています。1−2等親に卵巣ガンの方がいると卵巣ガンになる率は3−4倍や70歳までに卵巣ガンになる確率は50%、などの報告があり「リスクの高い人」ということになります。また飽和脂肪酸の含まれる食事、肥満、閉経が55歳以降と遅い、初妊娠が35歳以降、などの方も「リスクの高い人」です。逆に妊娠・分娩・授乳が多いほど、ピルの使用、子宮摘出などの方は卵巣ガンのリスクは減り「リスクの低い人」とされています。
 
症状は?
卵巣は腹部にあって腫瘍ができてもはじめはほとんど自覚症状がありません。そのために卵巣ガンはしばしば「silent killer」と呼ばれてきました。しかし最近の研究(William Hamilton博士ら、BMJ:2009年)では、
(1)卵巣ガンの早期3症状として
腹部膨満
頻尿
腹痛
を挙げています

(2)これらの症状は卵巣ガンと診断される180日前から見られる傾向にあった転移しやすいガンの場合は、腫瘍が卵巣内であまり大きくならないうちに広がってしまうため、腹膜に広がり腹水のために腹部全体が大きくなるとか、胸水がたまって息切れがするなど、進行した症状ではじめて異常を自覚することが少なくありません。2/3以上の方は転移した状態ではじめて病院を訪れます。

 
診断は?
卵巣は腹腔内にあり組織診、細胞診といった直接的な検査を行うことは困難であり、手術以外には確定診断を下すことができません。通常婦人科の診察や超音波検査、MR検査などで、子宮の腫瘍か、卵巣腫瘍か、腫瘍の内部の構造、転移の有無などを調べますが、あくまで間接的な推定診断になります。 血液中に微量に存在するCA125という腫瘍マーカーは卵巣ガンに特異性の高い腫瘍マーカーですからこれを測定することは、良性、悪性の判定に役立ちます。転移のある卵巣ガンではほとんどの人がCA125陽性で、多くは非常に高い値になりますから、血液検査だけで卵巣ガンとわかることがあります。しかし、早期ガンでは陽性率は低く、また、若い女性の中にはガンがなくても軽度陽性の人もいるので、CA125は卵巣ガンの早期発見には役に立たないこともあります。
 
治療は?
卵巣ガンに限らず、初期であれば手術で摘出すればいいのですが、進行の程度によっては、手術でできるだけ腫瘍を摘出して、抗ガン剤、放射線治療などを組み合わせて行います。
 
卵巣ガンにかかったら?
初期に治療すればよく治り、進行するにつれ治りが悪くなるのは当然ですが、5年後に生存している確率は、以下の通りです。
1期 (卵巣にだけにとどまっている状態) 90%
2期 (卵巣の周囲の子宮・膀胱などの腹膜に転移している状態) 70%
3期 (主に上腹部にも転移している状態) 30%
4期 (腹腔外に転移しているか、肝臓に転移している状態) 10%
 
どういうことに気をつければいいの?
卵巣ガンは症状が無いことが多いのですから、定期的に(最低1年に1回)婦人科の検診を受けましょう。また上に述べた「リスクの高い人」はもっと早い目に(半年に一度)検診を受けましょう。
 
【2002年10月更新・ 2009年11月追加・更新】
 
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