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「子宮筋腫の子宮動脈塞栓術(UAE) 」

子宮筋腫は珍しくない病気ですが、治療は手術かホルモン療法が行われてきました。最近注目されている第3の治療があります。

 
どのような方法か
1995年から行われ始めました
脚(あし)の付け根の動脈からカテーテルを挿入し、子宮に栄養を送っている動脈(子宮動脈)に特殊な物質を詰め込んで、動脈に栓をして、子宮自体に血液が行かなくし、筋腫の増殖を抑えるのはもちろんのこと縮小させる方法です
約 1時間で済み、身体への負担が少なく、縮小効果(70%前後)があります
一方で合併症もあり、子宮筋腫の症状が再び起こり再処置・子宮摘出手術などが約20%あります

誰でも受けられるのか
この治療は子宮筋腫を持つ誰もが受けられるものではありません
1、 受けられる場合
  (1) 月経があり閉経していない
  (2) 子宮筋腫による月経過多、月経痛がある
  (3) 将来において妊娠・出産を望まない
  (4) 子宮に悪性腫瘍がない
  (5) 卵巣にも異常がない
  (6) 骨盤の中に炎症がない
2、 受けられない場合
  (1) 妊娠中、閉経している
  (2) 今後妊娠を希望している
  (3) 症状がない
  (4) 巨大な筋腫
  (5) 子宮に悪性腫瘍ないしは疑いがある
  (6) 卵巣に異常がある
  (7) 骨盤内に炎症がある

長所と短所
この治療にも良い点と悪い点があります
1、 良い点
  (1) 開腹せず、右脚の付け根に小さい傷のみ ⇒ 術後の癒着などがない
  (2) 局所麻酔のみで、全身麻酔などはしない ⇒ 麻酔による危険性がない
  (3) 筋腫の数や場所に関わらず一度に治療できます
  (4) 今までに手術を受けていても治療可能です
  (5) 輸血は必要ありません
  (6) 入院期間が2〜3日と短いです
  (7) 10日ほどで通常生活に戻れます
2、 悪い点
  (1) 技術的に完全に塞栓できないことがあります
  (2) 症状が改善できないことも10〜15%ありえます
  (3) 施術後に子宮全摘をしないといけなくなることもありえます
  (4) 月経がなくなることもありえます
  (5) ヨード造影剤を使用する血管造影をすることによる合併症(発疹、かゆみ、呼吸困難、皮下出血、肺塞栓症などが)が起こりえます
  (6) 保険適応ではないので高額(30〜40万円)になります

適応
現状では以下の条件を満たす場合に、行われています
    1、 子宮筋腫のための症状(月経量が多い、痛み、圧迫症状など)があり薬剤による治療では改善しないか改善しても十分でない
    2、 手術を希望しない
    3、 妊娠を希望しない
    4、 閉経していない
    5、 子宮ガン検査で異常ない

効果は
子宮筋腫の大きさは、長径で約85%に、体積で約60%(最大30%)に縮小するとされています
子宮筋腫による症状は、60〜80%治るといわれています
子宮筋腫のできる部位によっても効果が異なります
粘膜下筋腫が他の筋腫より効果があるともいわれています

合併症
手術から約半日は下腹部痛があります。程度はさまざまです
1週間ほどは、発熱、吐き気、全身倦怠感、食欲不振などがあることもあります
ときに重い感染症から敗血症や肺塞栓症になることもあり、術後30日以内に死亡することもあります
術後に無月経や卵巣機能不全が起こることもあります
造影剤によるアレルギーなどの副作用(ショック)がまれに起こります、

再発(再燃)は
完全に塞栓されて子宮筋腫への血流が閉ざされれば、再び子宮筋腫が大きくなることはありません
塞栓が不十分であればあとで増大してくることもあります
症状が再燃するのは25%程度あるとされています

その他
この手術は保険適用ではなく自費診療ですので、費用は医療施設により異なります。前もって聞いておきましょう
入院は通常2泊3日程度でしょうが、医療機関により、個人により差があります
退院すれば日常生活はできます

まとめ
  (1) この手術は、保険適用で無いので、施行している医療施設は多くなく限りがあります
  (2) 担当医とよく相談して受けるかどうか納得して決めましょう


 
【2012年1月更新】
 

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