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「妊娠と子宮頚ガン 」

妊娠したときに子宮頚部の異常、とくに子宮頚ガンが見つかることもないわけではありません。どうすればよいのでしょうか。

 
妊娠と子宮頚ガン
妊娠8週前後には子宮頚ガン検診(細胞診)を行うことが望ましいとされています
妊娠中に子宮頚部の細胞検査、いわゆる子宮頚ガン検診をして異常な結果が出るのは約1%とされています
妊娠中に子宮頚ガンが見つかる率は、2,000〜2,500妊娠に1人と少ないです
子宮頚ガンが発見されるうちの3%くらいが妊娠中です
妊娠して子宮頚ガンと分かった人の年齢は、妊娠していないで子宮頚ガンと分かった人より10歳若いです
妊娠中でも子宮頚部の異常は、
    (1) 異形成
    (2) 上皮内ガン
    (3) 浸潤ガン   微小浸潤ガン
        浸潤ガン
  の順に進んでいきます 
妊娠中に見つかる場合は、子宮頚ガンの中でも早期の上皮内ガンや微小浸潤ガンが圧倒的に多いとされています
妊娠中に異形成や上皮内ガンが浸潤ガンに進む頻度は低く、逆に分娩後に自然に退縮する場合も報告されています

細胞診で異常が見られたら
その後の対応は、原則として妊娠していない場合と同じです
妊娠時は、子宮頚ガンになりやすい部分が外方(膣側)に移動するために、妊娠していない時に比べて、
    (1) ガンが発生しやすいとされる部分の観察がしやすい
    (2) 子宮頚ガンの検査の精度は高い
  とされています
細胞診でクラスVaの場合
    (1) 子宮膣部の拡大鏡(コルポスコピー)の観察のみで病変を評価します
    (2) 組織を採取(組織診)せずに経過観察することもあります
「異形成」と診断された場合
    (1) 異形成が妊娠中に浸潤ガンに進む頻度は低く、分娩後に自然退縮する場合もあるので、経過観察することが多いです、
    (2) ただしこの場合は分娩後に確実に経過観察できることが前提です
    (3) 経膣分娩は可能です
    (4) 分娩後に4〜8週後に細胞診、拡大鏡検査(コルポスコピー)、組織診をして治療を行ってよいとされています
    (5) 妊娠中は定期的(2〜4ヵ月ごと)に細胞診を行います
「(扁平)上皮内ガン」と診断された場合
    (1) 「異形成」の場合と同じく分娩後に検査・治療を行ってもよいとされています
    (2) 組織診断では「上皮内ガン」までであるが、細胞診で浸潤ガンを疑う所見があるときは、病変部に微小浸潤ガンが含まれ得ることを重視し、妊娠中も非妊娠時と同じように診断的円錐切除を行うこともあります
    (3) 「上皮内腺ガン」と診断された場合は、円錐切除術を行う
「微小浸潤ガン」と診断された場合
    (1) 円錐切除術を行う
    (2) 円錐切除術後でも通常経膣分娩可能です
「浸潤ガン」と診断された場合、非妊娠時の場合と同じように子宮全摘を含めた治療を行う

円錐切除術を行う場合
  (1) 組織診で(扁平)上皮内ガンであっても細胞診で浸潤ガンが疑われる所見がある場合
  (2)  組織診で上皮内腺ガンの場合
  (3)  組織診で微小浸潤ガンの場合
  (4) 妊娠14週以降が望ましいです
  (5) 円錐切除術の方法に関係なく術後の早産率が、8〜15%と、円錐切除術を行わないときとくらべると1.5〜3倍と高くなります
  (6) 円錐切除する組織が大きいほど早産率が高く、児が低出生体重児になる率が2〜4倍と高くなります
  (7) このように流産・早産の危険性を高めますし、さらに妊娠中は出血がしやすいので、円錐の深さを浅くします(コイン・バイオプシーと呼ばれています)
  (8) 同時に頚管縫縮術をするかどうかは、効果についての一定の見解が得られていないことからはっきりしていません

まとめ
子宮頚部の細胞や組織の異常がある場合の対応は、基本的には非妊娠時と同じです。妊娠しているからといって判断を誤らないようにしないといけません。
  
(産婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン 産科編 2008」を参考にしました)




 
 
【2011年1月更新】
 

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