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更年期というのは、卵巣の衰えるある一定の時期をさすだけですが、高齢時代の今は、閉経して亡くなるなで平均すると30年以上は生きるわけです。その30年間を、女性ホルモンが欠落した状態ですごすのか、ホルモン補充療法でいつまでも若々しく生きるのか。いくら、第二の人生を楽しもうとカルチャーセンターなどに通っても、生理的にプラスの働きをもつ女性ホルモンが欠落したままだと、カルチャーセンターは女性ホルモンに及ばないと、僕は思います。しかし、日本人には昔から自然の摂理のままに生きたいという考え方があって、もう閉経しているのに薬で外から無理に補うのは自然の摂理に反する、だから飲みたくないという人が多いんですね。
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| だけど、もし、女性ホルモンの働きをよく理解すれば、ホルモン補充療法に対する考え方も変わるはずです。たとえば、更年期障害の治療で使われた女性ホルモン剤によって、記憶力や計算力がよくなることが、知られています。女性のホルモンが脳の中の血液循環をよくして、脳細胞自身の働きを活発にさせるからです。
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同時にまた、ホルモン剤を服用することで更年期障害、不眠、うつ状態などか軽くなり、体調もよくなりますから、そうゆう作用がいくつも重なって記憶力が落ちず、物忘れもなくなるわけです。また、心筋梗塞などは、閉経後10年ぐらいになると増加します。コレストロールを引き下げる作用のある女性ホルモンがなくなったからです。このように、長い目で見ると、肌の若々しさ、心身の健康面で、かなりの差が出てきます。女性ホルモンは更年期障害だけでなく、閉経後30年以上の長い生活を若々しく、より元気に過ごすために不可欠な薬だと思います。
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女性ホルモン剤を飲むか飲まないか、飲むとしたらいつまで飲むか、その人の考え方次第です。女性ホルモンの働きを知り、ホルモン剤の副作用や効果を十分理解した上で、本人が決めることです。一生、死ぬまで飲んでもいいんです。私の医院でも75歳の方が飲んでおられます。飲むほうが若々しく、肌つやもいい。より質の高い生活ができるからです。
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| 一般に、ホルモン療法はガンが発生しやすいとか、副作用が強いとか思われています。確かに子宮ガン、乳ガン、血液の検査は、女性ホルモンを飲んでいる間は、半年に1回必要です。子宮ガンについては、現在は、増えない飲み方が研究されて、それさえ守れば大丈夫。アメリカの統計でも、使用しなかった人たちよりも、飲んでいた人たちのほうが、子宮ガンによる死亡者が少ないのです。乳ガンは、因果関係はまだはっきり解明されていませんが、女性ホルモンを飲んでいる人は、飲まない人に比べて、乳ガンになる率は1.2倍と高くなります。
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ただ、やはりこれもアメリカの統計ですが、確かに乳ガンによる死亡者は1.2倍でも、全体を見ると、死亡者は逆に少なくなっています。まず、心筋梗塞が減る。骨折も減る。つまり、乳ガンが増えるのは事実ですが、ほかのプラス面のほうが大きい。だから最近は、女性ホルモンを推奨する人が多くなり、一般にもホルモン療法のついて知りたい人が増えてきているのですね。ホルモン補充療法は、日常生活に支障をきたすからといって、それだけ治療していたのではアカンよ、というのが私の基本です。更年期障害が出ている人だけでなく、特に症状がなくても、月経が乱れてきたり、とまったりした時、あるいは更年期障害でも軽い時からホルモンを補充して障害を少なくする。それは今は予防的な考えですが、本用はそれも治療だと思っています。
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生理的にプラスに働くのは、エストロゲンという卵胞ホルモンで、それさえ飲めば女性ホルモンの働きを維持できます。しかし、エストロゲンだけでは、子宮ガンになりやすいなどの副作用がありますから、それを抑えるために黄体ホルモンを一緒に飲みます。基本的には飲み薬ですが、胃腸障害や肝臓障害が出るなど、どうしても飲めない人は、貼り薬。あるいは、注射という方法もあります。貼り薬は2日に1回、コイン大のものを下腹に張ります。皮膚からの吸収率に差があり、量の調節もしにくいのが短所です。 |
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現在乳ガンや子宮ガンにかかっている人、あるいは過去にかかったことのある人です。重い肝機能障害のある人、血栓症にかかったことのある人も受けられません。高血圧や糖尿病の人も注意が必要で、検査を受け、症状を観察しながらでなければ、受けられません。
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| アメリカで女性ホルモン剤を10年間使用した10万人と、女性ホルモン剤を使用しなかった10万人の死亡した人数比較(1988年発表) |
| 疾患 |
使用した
グループ |
使用しなかったグループ |
| 心筋梗塞 |
414人 |
592人 |
| 子宮体ガン |
25人 |
42人 |
| 乳ガン |
122人 |
102人 |
| 骨折 |
10人 |
55人 |
| 計 |
571人 |
791人 |
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